ぴよねろ@機械学習

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コーディング中に上司が視界から消えた話

上司というかチームリーダーが仕事中に亡くなった。

 

新卒で入った会社はそこそこ規模の大きなSIerで自社ビルもあり受託での開発もあった。

人売り派遣SESのみを生業としている会社ではなかった。

 

ではなかったのだけど、業務の半分はSESだった。

専門卒だった自分はJAVAを使った開発を志望していたのだけど、コミュニケーション能力に欠ける同期が社内の受託案件に配属され、変にコミュニケーション能力のあった自分は嫌われていたのかなんなのか知らないが先輩の1人もいない二次受けCOBOL案件に放り込まれた。

もちろんCOBOLなどやったことなどない。(結果的にCOBOLの実装能力などいらなかったのだけど)

 

そのプロジェクトに参画してからはハードワーク続きだった。

汎用機を使った開発で、コーディングしてコンパイルした結果は翌日冊子となって届けられる。

新人の自分の仕事は朝届けられたコンパイル結果を自分のチーム分をコンパイル結果の山から見つけ出しメンバーに届けることだ。

10人程度のチームが20近くある巨大なプロジェクトだったから冊子も膨大な数がある。

そこから自分のチームのものを見つけ出すだけで一苦労だ。

 

それが終わればようやく自分の実装の時間だ。しかし、実装能力などいらない。

先輩(他社の)がアクセル上で書いたコードを一字一句間違えないように汎用機に入力していくお仕事だ。

コーダーですらない、パンチャーだ。

 

 

朝は郵便局員、昼はパンチャー。

 

 

パンチャーの仕事は長くは続かない。

そりゃあ、アクセルにコードを書くスピードとそれを書き起こすだけのスピードだと後者の方が早い。

だから基本的に夕方くらいからやることがなくなる。

なくなるので、とりあえず自分がやった実装を見直してみる。

するとそもそもの実装がおかしいところが見えてきたりもする。

それはそれで相談して修正するのだが、1時間もすればそれも終わる。

 

 

しかし、大変な炎上案件のため9時だろうが10時だろうが誰も帰らない。 なので俺はひたすらパソコンのフォルダ整理をして夜を過ごした。

もちろん土曜日も出社する。社会人になって初めてのお仕事なのでそれは当たり前なんだなと思っていた。

チームリーダーに至っては日曜日も出勤しており、日曜出勤しない自分はなんて不真面目なのだろうと常に罪悪感でいっぱいだった。出ましょうかといっても断られる。能力が足りないからだと思った。

 

残業代は全て出る会社だったので専門卒の一年目とは思えないような給料をもらった。月あたり300時間を超えて労働していたのだから当たり前だ。

 

 

そんな生活が半年くらい続いたある日チームリーダーが視界から消えた。

リーダーは俺からみて斜め右奥にいたので常に視界に顔があった。

それが夕方ごろ突然消え、ドシンというとても大きな音がフロアに響いた。

なにが起きたのかわからなかった。

隣の先輩が『大丈夫ですか!??』と駆け寄った。

『うう、、、』とうめき声が聞こえた気がした。

その後誰かが呼んだ救急車がきて搬送されていき、そのまますぐ亡くなった連絡が入った。

 

これが新卒一年目の話。

炎上していたプロジェクトは、そのリーダーが丸抱えしてなんとか持っていたので、リーダーがいなくなりさらに炎上し、さらに過酷になり、たいした作業もしていないのに2年目の後半に俺が体調を崩した。

会社に行けなくなってしまった。

 

これが2年目の話。

残業なんてバカらしい。